新技術として期待される
金属3Dプリンターの
本格的な普及に向けて

インターンシップで体感した温かい社風が決め手のひとつ

私は「お客様の役に立つ製品開発に携わることができる」「地元・関西に根づいた企業」という軸で就職活動していました。鉄鋼業界を選んだ理由としては、学生時代に研究していたのが鉄鋼の工場で使われる耐火物だったため、そこから鉄そのものも面白そうだなと興味を持ったのがきっかけです。なかでも当社はグローバルに活躍している先輩たちが多く、インターンシップや説明会で感じた温かい雰囲気も魅力でした。

仕事内容について

金属粉末の成分設計を担当

現在は、金属3Dプリンターの材料として用いられる金属粉末の開発に携わっています。金属3Dプリンターは、溶かした金属を1層ずつ下から積み重ねて、3次元の造形をつくる新技術。複雑な形状を一度でつくれるというメリットがあり、自動車や産業機械などの部品を作る金型への適用が進んできています。
そのなかで私は、お客様からのニーズが高い「熱伝導率が高く、割れにくい」といった特性を満たす粉末の成分設計を行っています。まず金属粉末を部内の工場でつくってもらい、3Dプリンターを稼働させて粉末から造形体を作製。そこから試験・研究課に様々な試験を依頼し、得られたデータを考察しながら成分の改良をしていくという流れです。

1年目から重要な仕事を任され、
難しさの中にやりがいを実感

1年目の時、自分の担当している鋼種の粉末を成分改良することになりました。テーマは、その鋼種に入っている炭化物の成分バランスを考えること。もともと成分のベースに複数の炭化物形成元素が入っていたのですが、それは金属3Dプリンタ用ではなく、一般の鋼材として設計された成分だったため、3Dプリンタ用の粉末にした場合は最適な配分バランスが変わるのでは？という疑問からスタートしたものでした。
1回目の改良案は上司が主導で行い、2回目の改良案の際は「じゃあ辻井さんも一つ考えてみようか」と言われてビックリ。嬉しさとプレッシャーを感じながら、実験データやシミュレーションソフトの計算をもとに考察していきました。最終的にはこの改良案を採用してもらうことができ、大きな自信とやりがいにもつながりました。

特定分野のスペシャリストを目指す

金属３Dプリンターはまだ新しい技術で、未知の領域。当社の粉末事業部も「特殊鋼の強みを活かして何かできないだろうか」という発想から立ち上がった新規事業なので、これから新たに解明していけるのが面白いなと感じます。
目標としては、例えば「金属３Dプリンターの粉末について聞くなら辻井に」と言ってもらえるような、特定分野のスペシャリストに成長すること。当社にはあらゆる分野で深い知識を持ったスペシャリストがいて、それが会社全体としての強みも生み出しています。私もそんな先輩たちのように、周りから頼りにされる存在になれたらいいなと思いますね。