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技術・開発

2009/07/17

電気炉スラグ製品の品質向上に向け、加圧式蒸気エージング設備を導入

 山陽特殊製鋼株式会社(社長 藤原信義、本社姫路市)は、電気炉スラグ製品の品質向上に向け、加圧式蒸気エージング設備を導入し、7月17日に竣工式を実施しました。

 今回、導入した加圧式蒸気エージング設備は、加圧蒸気を用いた製鋼スラグのエージング設備としては、日本で初の1.0MPaの高圧処理能力を持ち、短時間処理を可能にするとともに、製鋼スラグのエージング処理において高い処理能力を発揮します。(従来の0.5MPaに比べ、処理時間の更なる短縮化が図れるほか、粒度の細かいスラグに対しても、粒子間に蒸気が浸透する等、高い品質安定性が期待できます。
 当社では、社内で発生する電気炉スラグの全量を、この加圧式蒸気エージング設備で処理することで、「品質の安定した、信頼性の高い電気炉スラグ製品」を提供してまいります。

 

 当社は、第7次中期連結経営計画(平成20~22年度)の中で、「環境対策の確実な実施」および「非価格競争力の強化」を重点施策として掲げております。
 ゼロエミッション、資源循環型社会の重要性が広く認識される近年、将来にわたって電気炉スラグというリサイクル製品を社会に提供していく上で、電気炉スラグの品質を安定させ、十分な信頼性を担保することは、必須の要件であると認識しております。
 当社は、かねてより電気炉製鋼工程で発生した電気炉スラグのリサイクル推進、用途拡大に取り組んでまいりました。平成17年に姫路市の資源循環型舗装のアスファルト骨材として採用された後、徐々に新規用途での出荷実績を伸ばしております。
 本設備の導入により、電気炉スラグのエージング処理を短時間に、より確実に実施し、資源循環型社会の構築に貢献していきたいと考えております。


エージング処理について≫
 電気炉スラグは、古くから、道路、土木用途にリサイクルされており「リサイクルの優等生」と言われており、電気炉スラグ製品の製造工程において、「エージング」という体積安定化処理を施し、品質に関わる検査を行った後に製品を出荷しております。

 エージング処理の方法としては、露天下にて半年~1年程度大気にさらす「大気エージング」のほか、高温蒸気にて1~2週間処理を行う「蒸気エージング」や、今回導入した「加圧式蒸気エージング」が実用化されております。
 加圧蒸気にてエージングを行う場合、常温状態で半年以上要するエージング処理を数時間で完了できる等、処理時間の短縮化を図ることができます。また、加圧状態で処理を行うため、スラグ粒子の隙間に蒸気が行き渡り、均一で蒸気むらのない処理が可能となり、高い品質安定性が得られます。


【参考】電気炉スラグ製品の製造工程の概要

 

≪導入した加圧式エージング設備について≫
 本設備は、電気炉スラグを投入したバスケットをオートクレーブ(圧力容器)内に装填し、加圧蒸気処理を行うもので、1バッチ当り32m3、約64トンの処理が可能です。また、オートクレーブ1基に対し、2基のバスケットを交互に処理することで、電気炉スラグの積込、排出作業をエージング処理中に実施でき、効率的な処理が可能となっています。
 その他の特長として、蒸気を常時流通させる蒸気エージングに対し、圧力封入式の本設備は、蒸気使用量が少なく、環境負荷の低い設備でもあります。また、広大なエージングヤードを必要とする大気エージングに比べ、短時間で処理が可能なため、製品ヤードの面積を1/6まで圧縮可能で、土地の有効活用も図れる等、副次的価値の高い設備でもあります。


【設備の概要】

 ・最大処理圧力: 1.0 MPa(従来型 0.5 MPa)

 ・バスケット容量: 32m3/バッチ(従来型 25m3/バッチ。容量28%アップ)

 ・最 大 処 理 量: 15,000t/月

加圧蒸気式エージング設備 7月17日に実施した竣工式の模様

以上



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