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山陽の「高信頼性鋼」技術

鋼の清浄度を極限まで高める技術。
ベアリングや高強度自動車部品などの寿命・信頼性の向上に貢献。

1980年代

高清浄度鋼

主力商品である軸受鋼は、主にベアリングの素材として使用されています。軸受鋼には、高い硬度と耐摩耗性に加え、優れた疲労寿命が求められます。その疲労寿命の長さを左右するのが、鋼に含まれる非金属介在物と呼ばれるものです。そのため、当社では最初のステップとして、この非金属介在物の量を減らすべく「電気炉-取鍋精錬炉-RH脱ガス-完全垂直型大断面ブルーム連鋳機」による製造方法を採用することで、高清浄度鋼の量産化を実現してきました。

1990年代

超高清浄度鋼

更なる疲労強度の向上をめざし、鋼に含まれる非金属介在物の定量的な研究を進めた結果、その量だけでなく、介在物の大きさも鋼材の強度・寿命に大きく関わることを解明しました。そして「鋼中の最大介在物の大きさをコントロールする」というコンセプトに基づいた製造プロセス(SNRP:Sanyo New Refining Process)の開発に成功しました。これによって疲労強度を飛躍的に向上した超高清浄度鋼として、部品の小型・軽量化による環境対応・性能向上を求める自動車関連ユーザーから高い評価を得ています。

2018年

極超高清浄度鋼

今回、介在物の低減・小径化技術であるSNRPに、大型介在物の出現頻度をその組成(介在物を構成する微量成分の種類や量、割合)によって制御する技術を加えることで、極超高清浄度鋼製造プロセス(SURP:Sanyo Ultra RefiningProcess)の開発に成功しました。今回の開発によって、疲労強度が強く求められる部品、過酷な環境下で使用される部品、高い信頼性が求められる部品を使用する風力発電機・高速鉄道・産業機械に用いられるベアリングなどの転がり部品への採用が期待されます。

高機能金属粉末の開発

3Dプリンター。
モノ造りの常識を覆す画期的な製造方法として世界中で研究開発が進んでいます。当社では、金属粉末製造の技術を基に3Dプリンター用の高機能金属粉末を開発することで、未来のモノづくりにつながるイノベーションに貢献していきます。

モノ造りの常識を覆す

 3Dプリンターは樹脂や金属粉末を何層にも積み重ねることで目的の形状に仕上げるため、これまでは製造不可能であった複雑な内部形状をもった製品が製作できるとされ、無限の可能性を秘めています。現在、航空・宇宙産業、エネルギー産業を中心に3Dプリンターの採用が広がり、自動車産業でもその可能性に注目が集まっています。また、日本の強みである金型産業においても、3Dプリンター製の金型が持つ優れた冷却性能による生産性の向上が期待されています。

不可能を可能にする金属粉末の開発

 3Dプリンター用の金属粉末に求められる代表的な特性として「高い流動性」や「適切な粒度分布」が挙げられます。そして、これらの特性を持つ金属粉末は 、アトマイズ条件の高度な制御技術の確立により初めて実現可能となります。また、3Dプリンターが広く普及するためには、これらの特性を兼ね備えた金属粉末を高効率で大量に生産する製造技術の確立も必要となります。当社では、これまで長年にわたり培ってきた金属粉末に関する知見や、高純度真空溶解ガスアトマイザー・ディスクアトマイザー設備を活かすことで、未来のモノづくりにつながる高機能金属粉末の開発に取り組みます。

ECOMAXシリーズ

特殊鋼は、ニッケル・クロム・モリブデン・マンガン等の元素を加えることで、強さ・硬さ・さびにくさ・しなやかさ・加工のしやすさ等の付加価値を鋼に与えています。しかし、これらの元素は地球上に無限に存在するものではありません。持続可能な特殊鋼生産をするためには、これらの元素の使用量低減と特殊鋼に求められる付加価値の確保という相反する要素の両立に挑まなければなりません。当社では、この課題をクリアした特殊鋼製品を「ECOMAXシリーズ」として製品展開をしています。

省資源化と高強度化の両立

 当社では、「Ni・Moフリー× 高強度」の製品としてECOMAX1・2・4の開発に成功し、自動車のギア・シャフトといった駆動系の部品への採用が進んでいます。高強度という特性を活かすことで部品の小型軽量化に加え、独自の成分設計により部品製造時の熱処理工程の省略をすることが可能となっています。そのため、鋼材のライフサイクルの各場面において、省資源化や環境負荷物質の排出抑制に貢献しています。

素材の高強度化がなぜ持続可能な社会に関係するか?

(例)自動車

鋼材のライフサイクル
  • 製造時

    省資源化に寄与

  • 部品製造時

    熱処理工程省略による環境負荷物質の排出削減が可能

  • 部品を使用した製品時

    燃費向上による温室効果ガス排出削減が可能