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技術・開発

2012/05/10

新グレードの軸受鋼「PremiumJ2」を商品化

 山陽特殊製鋼株式会社(社長 藤原信義、本社姫路市)は、軸受の長寿命化・小型化を可能とする新グレードの軸受鋼「PremiumJ2」(プレミアムジェイツー)を開発、量産化技術を確立しました。
 「PremiumJ2」は、新しい製鋼技術と検査技術を開発・組み合わせることで、信頼性をより高めた高信頼性長寿命鋼です。自動車などの重要部品に使われる軸受をターゲットとしており、昨今ますます高まりつつある、軸受のさらなる長寿命化・小型化に対するニーズに応えます。


【PremiumJ2商品特長について】

 近年、地球環境保護の観点から、自動車の燃費向上等を目指した部品の軽量化に対するニーズが高まりつつあります。PremiumJ2」を使用することで、軸受の信頼性が向上し、部品の小型化・軽量化に寄与します。特に、軸受の小型化は周辺部品にも派生するため、自動車全体の軽量化に大きく役立ちます。


【開発技術について】

 軸受破損の原因となる「転がり疲れ」発生のメカニズムには、鋼中の非金属介在物(鋼に含まれる異物)が深く関係しており、この非金属介在物の大きさと数を低減することで、軸受の長寿命化が期待できます。(※転がり疲れ発生のメカニズムは下記参照)

 当社は、鋼中の有害な非金属介在物を極限まで低減する新しい製鋼技術を開発するとともに、それらの存在頻度が少ないことを大体積で評価する検査技術を開発しました。 そして、この2つの技術を組み合わせることにより、高信頼性長寿命鋼「PremiumJ2」が誕生しました。 
 

 鋼の清浄度に対する信頼性が大幅に改善されたことで、最終製品である軸受の短期破損が抑えられ、長寿命化が期待できます。
 なお軸受の転がり疲れ寿命試験において、一般的な軸受鋼(SUJ2鋼)に比べ、「PremiumJ2」は、軸受の寿命下限値が約3倍に改善したとの結果が出ています(当社実験結果)。

 

 

 当社は、第8次中期経営計画(平成23~25年度)において、「『高信頼性鋼の山陽』のブランド力の更なる向上による企業価値の増大」を経営方針に掲げています。当社は、世界における軸受鋼のリーディングカンパニーとして、今後も技術先進性の拡大に努め、的確な商品開発・市場投入を行ってまいります。
 

 

  【ご参考:軸受の転がり疲れ発生メカニズムについて】

 非金属介在物とは、鋼中に含まれる異物のことです。
 軸受は、自動車のエンジンをはじめ、機械の回転部位には必ず使われる重要部品です。この軸受で、特に負荷のかかる個所の鋼材に非金属介在物があると、その非金属介在物を起点として亀裂が発生・伝播していきます。そして結果的に本来の寿命よりも早い段階での破損を招きます。
 この亀裂の起点となる非金属介在物は大きいほど、数が多いほど有害であり、また酸化物系介在物が起点になりやすいことが知られています。

 
 


以上



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